
サステナビリティ
就業までに掛かる時間を半分にする
社会に関する目標

2030年度までに、就業までに掛かる時間を2021年度比で約半分(注2)に短縮することを目指す

私たちは、求職者の仕事探しをより簡単にするために、求職者の就業までに掛かる時間と、雇用主の採用までに掛かる時間の短縮に取り組んでいます。当社のプラットフォームを通じて、求職者は、以前よりも仕事情報の検索、応募、面接、そして採用といった就業までのプロセスを、より速くシンプルに行えるようになりました。今後も、膨大なデータを活用してプロダクト進化を進めることで、マッチングの質を向上していきます。

測定手法の進化
就業までに掛かる時間を測定する
「仕事探しはいつ始まり、いつ終わるのか?」一見シンプルなこの問いから、私たちの探求は始まりました。なぜならば、世界のどこにも、就業するまでの時間を測るための確立された手法は存在しないからです。私たちは、2021年5月に「就業までに掛かる時間を半分にする」という目標を掲げてから、測定手法を段階的に進化させてきました。
求職活動のゴール(採用シグナル)については、長年データを蓄積してきたことで一定の精度で捕捉できるようになっていました。しかし目標を掲げた時点では、求職活動を開始したタイミングを特定する方法が無かったのです。そこで、Indeedを使って仕事に就いた求職者に就業までに掛かった時間を申告してもらうと、ほぼすべての求職者が就業するまでに掛かった時間は約15週間であることがわかりました(注3)。長期的には、プラットフォーム上のアクションデータから求職活動の開始を特定し、就業までに掛かる時間を測定するために、測定手法の進化に取り組んでいます。
雇用主の「採用までに掛かる時間(注4)」
就業までに掛かる時間を半分にする長期目標に向けては、求職者と雇用主、双方のプロセスを理解する必要があります。2023年度からは、Indeed上のデータを使って採用までの各ステップの測定が可能な、雇用主の「採用までに掛かる時間」に注目しています。下図の通り、就業までのプロセスにおいて、求職者と雇用主がたどるステップの多くは同一線上にあり、雇用主のアクションは就業までに掛かる時間に大きな影響を与えています。
雇用主の採用までに掛かる時間は、求人情報の作成から始まり、採用成功で終わります。また、プロセス上の各ステップで掛かった時間は、Indeed上で測定することが可能です。
求職者・雇用主の採用までのプロセス

測定方法をより正確で実用的なものに改良していくことで、採用までの各プロセス毎に時間短縮につながる具体的な戦略の特定や、マクロ経済状況などの外部要因の影響の把握が可能となりました。測定方法の改良を経た新たな「採用までに掛かる時間」の平均は、2025年1月時点で42日間であり、2023年12月時点の41日間(注5)から微増したことが分かりました。
雇用主の採用までに掛かる時間の平均値

マクロ経済が採用までに掛かる時間におよぼす影響
2024年を通じて、採用までに掛かる時間はわずかに上昇傾向にあります。その要因の1つには、米国のマクロ経済が労働市場に及ぼす影響があります。当社の初期調査から、米国の離職率(注6)と採用までに掛かる時間には逆相関の関係があることが確認されました。離職率が1%低下すると、採用までに掛かる時間が2.7日間減少しています(注7)。
一方で、米国の労働力人口比率(注8)と採用までに掛かる時間の相関関係も見えてきました。労働力人口比率(注8)が1%増加すると、採用までに掛かる時間は3.1日間増加しています(注7)。2024年は、離職率が著しく低下した一方で、労働力人口はパンデミック後に徐々に回復しました。

不安定なマクロ経済下でもIndeedのプロダクトは採用までに掛かる時間を短縮
厳しいマクロ経済の状況下でも、雇用主がIndeedの有料プロダクトを利用した場合、採用までに掛かる時間が大幅に短縮されるという結果が見えてきています。IndeedのAIを活用した機能は、より速くより良い採用の実現に寄与しています。
有料求人(スポンサー求人)
雇用主は、Indeed上で有料のスポンサー求人を利用することで、募集中のポジションの露出を高め、より多くの候補者にアピールすることができます。これは、スポンサー求人は、Indeedのマッチングテクノロジーによって応募可能性が特に高いプロフィールの候補者により表示されるためです。2024年1月から2025年1月に当社が行った、Indeed上の世界中の求人情報に関する調査では、スポンサー求人は無料求人と比較して「採用までに掛かる時間」が22%短いという結果が出ています(注9)。

目標に向けた道のり
リクルートグループは、今後も、革新的なAIソリューションの導入や採用プロセスの効率化や自動化を通じて、雇用主の採用までに掛かる時間を短縮し、労働市場や社会の課題解決に貢献していきます。

労働市場の障壁を低減し、
3,000万人の就業を支援する
- 本ウェブページに記載の年数は、その年の4月1日に開始し、翌年3月31日に終了する当社の会計年度を意味する。また本ウェブページに記載の数値は、すべて概数。
- Indeedの求人プラットフォームで就業したユーザーが就職活動を始めた時点から、採用オファーを獲得するまでの期間。
- 2022年3月31日時点の基準値。Indeedの求人プラットフォームで就業したユーザーが就職活動を始めた時点から、その90%が採用オファーを獲得するまでの期間。2021年9月から2022年3月までの間に就業が確認できたデータから、統計上有効な数値として90%のユーザーが就業するまでに掛かった期間を集計。
- 「採用までに掛かる時間」は、Indeed上で求人情報が作成されてから、その求人情報に対して最初の採用が報告されるまでの日数。当社が2030年度に向けて掲げる「就業までに掛かる時間を半分にする」目標に変更はないが、Indeed上で計測可能な雇用主側のアクションデータである「採用までに掛かる時間」をもとに求職者が採用に至るまでのプロセスの課題を発見し、プロダクトの進化を加速することとした。
- データの精査により、2023年度の有価証券報告書において55日間と報告されていた基準値を41日間に更新。41日間は、2023年12月にIndeedで採用された求人の平均採用期間(求人作成から最初の採用まで)。最初の採用までに720日を超える期間を要した求人(求人全体の約1%)をデータ収集の異常値として除外している。さらに精査後のデータでは、採用シグナルはログインのあった求職者のものとIndeedの候補者管理ページもしくはATS経由で採用日が特定されたものに限定するフィルターを追加している。
- 離職率とは、その月の離職者数を雇用者数で割った数値。労働市場の流動性を示す指標であり、具体的には、労働市場に属する人々のうち、どれだけの人数が移動しているかを表す。
- 初期調査で確認された相関関係は、他のすべての条件が一定であると仮定。2019年1月から2024年12月までの米国データに基づく分析。
- 労働力人口比率とは、労働力人口が全人口に占める割合を指す。労働力人口比率は労働供給を測定するもので、具体的には、雇用されている人および失業している人の両方を含めた労働力人口の規模を表す。
- 2024年1月から2025年1月までのグローバルデータ。有料のスポンサー求人は、無料求人に比べて「採用までに掛かる時間」が22%速い。有料求人とは、求職者が求人を見て何らかのアクション(投稿のクリック、または応募をクリック)を取った際に雇用主に料金が発生するスポンサー求人を指す。